2022年5月22日夕方、JR新宿駅前に紫色のTシャツ、風船、プラカードを手にした人々が集結し声を上げた。国会で成立を目指していた略称「AV出演防止・救済法案」＝「AV新法」に反対する人々によるデモだ。参加者の主張は「AVは性搾取、性暴力の温床であり、性交の撮影と売買春を合法化しようとする『AV新法』は認められない」である。
その一団の向かい側には赤い傘を手にした人々が陣取り、「ＡＶ新法」反対派に対するカウンターデモを行った。こちらの主張は「反対派の主張はセックスワーカーの差別」であり、「『ＡＶ新法』に反対ではないが、セックスワーカーやＡＶ出演者の意見も盛り込むべき」だ。参加者はセックスワーカー当事者やＡＶ業界関係者などである。

「性をめぐる個人の尊厳が重んぜられる社会の形成に資するために性行為映像制作物への出演に係る被害の防止を図り及び出演者の救済に資するための出演契約等に関する特則等に関する法律」（通称「AV新法」）

第二条 この法律において「性行為」とは、性交若しくは性交類似行為又は他人が人の露出された性器等（性器又は肛こ う門をいう。以下この項において同じ。）を触る行為若しくは人が自己若しくは他人の露出された性器等を触る行為をいう。
２ この法律において「性行為映像制作物」とは、性行為に係る人の姿態を撮影した映像並びにこれに関連する映像及び音声によって構成され、社会通念上一体の内容を有するものとして制作された電磁的記録（電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。）又はこれに係る記録媒体であって、その全体として専ら性欲を興奮させ又は刺激するものをいう。

第七条 出演者の性行為映像制作物への出演に係る撮影は、当該出演者が出演契約書等の交付若しくは提供を受けた日又は説明書面等の交付若しくは提供を受けた日のいずれか遅い日から一月を経過した後でなければ、行ってはならない。

第九条 性行為映像制作物の公表は、当該性行為映像制作物に係る全ての撮影が終了した日から四月を経過した後でなければ、行ってはならない。

設問（１）この法律（AV新法）が制定されるきっかけとなった民法上の改正とその改正がAV新法制定に及ぼした具体的内容を述べよ。

設問（２）「AV業界関係者」がこの法律（AV新法）に反対ではなかった理由を下記４つの用語を必ず1回以上用いて記述せよ。
AV女優の出演強要　AV人権倫理機構　適正AV　内閣府

設問（３）参考資料の第七条、第九条が「AV業界関係者」と「セックスワーカー当事者（AV女優）」に与える影響と、その結果として今後ますます加速するであろう、現在既に起こっている新しいAVの流れを、実際に起こった事件とともに簡潔に述べよ。その際下記３つの用語を必ず1回は使用しなさい。
ＦＣ２コンテンツマーケット　孕ませマン　三瓶博幸容疑者

設問（４）設問（３）で回答した現在のＡＶの潮流を変えるためには、どのような法改正が必要か、考えを述べなさい。